地方旅行 2009 4 18

 私は、若い頃、何度も、観光資源がない地方へ旅行しました。
友達は、「観光地のない田舎へ旅行することに何の意味があるのか」と言っていました。
 なぜ、このような旅行をしたかというと、
観光資源がない地方の現状を知るためでした。
 そこで、わかったことは、地方には、産業がないということです。
もちろん、全然ないということではなく、いくつかは産業がありました。
土建業、農業、お役所産業。
 農業はともかく、こうした産業は、
最近の政府の政策によって、縮小してきたと言えるでしょう。
公共工事の削減、行政改革。
地方において、こうした政策を推進すれば、地方経済は、需要不足となるでしょう。
つまり、デフレ要因があるということです。
 ここで私が言いたいのは、
「キツネとタヌキしか通らない道路を作れ」ということではありません。
 ここ数年、政府の政策スタンスは、
中央銀行には、デフレ脱却の圧力をかけておいて、
地方経済に対しては、デフレ政策を推進していたということです。
要するに、右足でアクセルを踏みながら、左足でブレーキを踏んでいたのです。
政府は、このような矛盾を抱えた経済政策を推進していたのです。

ビジネスモデル 2008 12 30
 書名 世界経済危機 日本の罪と罰
 著者 野口 悠紀雄  ダイヤモンド社
 この本に書いてあることは、
多くの評論家にとって、あるいは政治家にとって、
耳に痛いことでしょう。
 知っていても口をつぐんでいた。
あるいは勘違いしていた。
そういうことが、この本を読んだ読者には、わかってしまうでしょう。
 この本の帯には、このようなことが書いてあります。
「主犯アメリカに資金を供給し続けた共犯者日本」
 本文からも、いくつか引用しましょう。
(以下、引用)
国内に投資しなかった日本
 クーパーやバーナンキが言っているのは、
「日本人は働いて得た黒字を、
アメリカ人の贅沢な生活を支えるために使ってしまったのだが、
貯めたカネの使い道は、それ以外になかったのだから、
仕方がないだろう」ということである。
(以上、引用)
 また第4章のタイトルでは、
「対米黒字の還流がグローバルなバブルを生んだ」とあります。
 この章では、「円安バブル」のことが書いてあります。
多くの人は、円安バブルと聞いても、実感がないかもしれません。
「そんな円安、あったのか」と思うでしょう。
 実は、多くの人は、名目レートに注目して、実質レートを見ないのです。
為替レートというと、多くの人は、たとえば1ドル95円という額面だけ見ているでしょう。
 しかし、額面だけ見ていると、おかしなことになります。
ここ数年、いや長年にわたって、日本は、デフレでした。
一方、アメリカは、数年にわたって、インフレ傾向が続いたと思います。
こうした物価変動が為替レートに反映されていないとすれば、
不自然な為替レートだったと言えるでしょう。
 そういう問題点を解消するために、実質為替レート(実質実効為替レート)があります。
この実質実効為替レートで為替相場を見れば、
2000年から2007年までの動きは、大きく円安となっていたのです。
2000年には140程度だったが、2007年7月には90.9となっていました。
(数字が小さいほど円安)
(注)実効為替レート、実質為替レート、実質実効為替レートは、それぞれ意味が違いますが、
ここでは、わかりやすくするために、厳格に使い分けしていません。
 さて、もうひとつ引用しましょう。
(以下、引用)
「カロリーベース自給率」のトリック
「生産額ベースの自給率」で見れば、
日本の自給率は約70%である。
(以上、引用)
 この本を通して、著者が訴えていることは、
日本は、ビジネスモデルの転換を図りなさいということです。
 自国通貨を安く誘導して、輸出で稼ぐ。
このようなビジネスモデルは、発展途上国のビジネスモデルであると。
 この本の内容は、厳しい内容でしたが、
私には、日本は、ビジネスモデルの転換ができれば、
新しい日本の出発となると感じました。
 太陽は沈まない。
太陽の国、日本。
日本の国旗が太陽を象徴していると思います。


















































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